トップページ > 百人一写
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな
かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを
君がため 惜しからざりし命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
御垣守 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ
風をいたみ 岩打つ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな
八重むぐら 茂れる宿の 寂しきに 人こそ見えね 秋は来にけり