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2016.05.31

ご先祖はやはり…

恐竜なのでしょうか?

今日は月末です。まだまだ多少寒暖の差はあるものの、少しずつ初夏の陽気になってきました。ゴールデンウィークもとうに過ぎ、これからは本格的な(?)夏に備える日々が待ち受けているといったところでしょうか。そういえば、ゴールデンウィーク中の5月4日の「みどりの日」に上野動物園へ行ってきたのでした。

この日は、無料開放ということもあって、大変な数の親子連れで賑わっていた。隣の都美術館前には「伊藤若冲展」に入場するために並ぶ長蛇の列。それに比べれば、動物園の方は混んでいるとはいえ、比較的スムーズに入場できて「小気味いい」とさえ感じたのもつかの間である。園内では凄まじい危険な事態が自分を待ち受けているとは、この時はまだ知る由もない。すなわち、大勢の人でひしめき合った園内を更に分け入って移動する、家族連れが率いる厖大なベビーカーの数である。これは尋常ではない。園内を貫く大きな通路のどこもがベビーカーで渋滞している姿をイメージして欲しい。しかも、ベビーカーに自動車のような方向指示器など備わっているわけもなく(つけて!)、ましてやベビーカー専用の信号などが園内にあろうはずもない。多くのお母さん方は気の向くままいきなり方向を変えてくるので、突然足のくるぶしに衝突されたり、つま先を轢かれたりとおちおち動物を観ながら歩ける状態ではない。こんな時には、咄嗟に避けられるような鋭い反射神経が求められる。自ずとかかとを浮かせて歩く自分の姿に苦笑してしまった。おいおい(独りノリつっこみ)。しかし、我慢にも限度があるようだ。次第に自分の顔も眉間に縦皺が刻まれ、険しい様相に変化して行くのが感じ取れた。ま、もとから人相があまりいい方ではないという自覚ぐらいならある。しかし、この危険なベビーカーに乗せられているのはたいていが子ども(赤ちゃん)なのだ。その上、動物園では子どもが主賓といっても過言ではない。いい歳のオヤジがすれ違い様に子ども風情を怖がらせていては大人気ないではないか。気持を切り替え、いら立つ感情は努めて抑えてポーカーフェイスを決め込む。そのまま周囲に細心の注意を払う武装隊員のように身をこなし(たつもりで)、行き着いた先が「ハシビロコウ」の前であった。相変わらず動きに乏しい。っていうか基本的に動かないのかな、この鳥。というだけあってコウノトリの仲間だそうで(おっといけない、オヤジなダジャレ)、とても大きな鳥である。鳥類の祖先が恐竜だと聞いたことがあるが、ハシビロコウの面構えを観れば誰だって納得するに違いない。動きが非常に少ないのだが、それゆえにわずかな動きに惹きつけられるのも事実だ。かれこれ小一時間ほど眺めていたら心の平静も取り戻したその時であった。眼光鋭いハシビロコウの目と合った…一瞬そんな気がした。鳥肌が立つとは正にこのような時のことである。ところで、人から「ハシビロコウに顔が似ている」と云われたのは、それから何日か過ぎた後のことだ。…そんなに人相悪いかなぁ。あんな顔で園内を歩き回っていたのだろうか?あぁみっともない。ハッ!否、恥じることはない。人相が悪いのではない、ハシビロコウ顔なのだこの系統は。それは、ハシビロコウが恐竜顔なのと同じ理屈ではないだろうか?つまり、ハシビロコウが進化してこんななって、…いや、更に遡って恐竜顔と言われるのは恐れ多く、じゃぁとりあえずの祖先は鳥類までってことかよ#、みたいに何かとコンプレックスに繋がる話題は思考に混乱を来すようである。こうして、いろいろつっこみどころ満載ないつも通りの展開になってしまったわけだが、振り返ると、ベビーカーに畏れを成したりハシビロコウの眼力に鳥肌を立てつつも、恐竜時代にまで思いを馳せることができたりと、平和な日常を実感する動物園での一日だったと言えよう。

明日から衣替えですね。とっくに半袖の日々でしたが。お後がよろしいようで…。m(_ _)m